歯科技工士の独立開業~必要な準備からメリットとデメリットまで解説~

歯科技工士は長時間労働が常態化しているため、労働環境は厳しいと言われています。
歯科技工所や歯科医院に就職してもすぐに辞めてしまうことが多く、離職率の高い職業とされています。そのため、自身の将来設計として独立を考える人も少なくありません。自分の生活スタイルに合わせられる、そして年収アップの可能性が高い独立開業を最初から考慮している人が増加傾向にあります。
今回は、歯科技工士が独立する準備として何をしたらいいのか、そしてメリット・デメリットなどを解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

1.歯科技工士の将来性

日本の高齢化が進む中、お口の不調を整えるための詰め物や入れ歯などの必要性が多く、歯科技工士のニーズは高まる傾向にあり、専門の技術を提供することが求められています。
また、近年では口元の美しさを意識する人が増えたため、審美歯科にも関わる技工物の需要が高まっています。
ここでみていきたいのは歯科技工士の現状と将来性です。

〈歯科技工士の現状〉

  • 歯科医院が増加しているため需要も高くなっている
  • 長時間労働に見合っていない収入面による離職率が高い
  • 歯科技工士の高齢化

〈歯科技工士の将来性〉

  • 人口の高齢化が進み人手不足が懸念されている
  • 次世代こそ技術の新改革に期待を持つ
  • インプラントや審美歯科による高度な精密な技術を期待(デジタル化の普及)
  • 歯医者増加のため歯科技工所(ラボ)の増加
  • 歯科技工士の独立開業の増加

歯科技工士は減少傾向にあるのが現状です。専門職である歯科技工士という技術を身に付けることで独立は十分可能なため、自分が経営する方向性を決める人が多くなる見込みです。実際、歯科技工所のオーナーになることを検討している方も多くいらっしゃいます。

2.歯科技工士が独立するまでの準備

国家資格のうちのひとつとなる歯科技工士の働き方は、歯科医院や歯科技工所、歯科材料メーカーなどのさまざまな活躍の場があります。また、就職して数年を経て独立開業を目指す人も少なくありません。歯科技工士は経験とスキルを積むことで自宅開業をしたり、歯科技工所の開設が可能です。
ここでは歯科技工士として独立するまでの準備等を解説していきたいと思います。


●独立開業までの期間
歯科技工士が個人ラボを経営するまで、最初は歯科医院または歯科技工所で数年働き経験を積むのが一般的です。実は、一人前になるまで10年ほどかかるとも言われています。
長い積みをしている期間で大切なこと以下の通りになります。

  • 経験とスキルを磨く
  • 人脈つくり(歯科医師や材料メーカーとの信頼関係を築くなど)
  • ラボの立ち上げの際に必要な資金作り

経営者として、技術以外にも必要なスキルを身に付けることで業績に大きく影響がでます。

●独立開業に向けた届け出
歯科技工所を開設するためには、開設後10日以内に管轄の保健所へ届け出を提出する必要があります。
届出事項は以下になります。

  • 開設者の氏名・住所・電話番号(法人の場合はその名称)
  • ②開設の年月日・場所・名称
  • ③管理者の氏名・住所
  • ④業務に従事する人の氏名
  • ⑤開設場所の概要・平面図

●事業計画書の作成
独立開業する上で、ビジネスの設計図となる事業計画書の作成が必要です。
独立開業する際には事業計画書を用意します。特に資金調達のため、金融機関から融資を受ける時には事業計画書の提出を求められます。
具体的な項目は以下の通りになります。

  • 開業目的:歯科技工士として独立開業する目的を明確にする
  • 経営者の経歴:過去に勤務したクリニックなどの年数や役職などを記載
  • コンセプト:提供するサービスや技術をアピール
  • 資金計画:開業に必要な費用を概算する(テナント、医療機器・設備、材料費・工具等)

●将来の計画
売上予測、利益目標数や経営する上での長期的な戦略方法を記載します。
また、リスク対策や将来の展望、組織体制など経営者にとって重要な指標を全て計画書に記載します。

3.歯科技工士が独立するメリット・デメリット

歯科技工士の独立開業をするにあたり、メリット・デメリットを把握しておくことで経営上の事案等の意思決定をするときに参考となります。


■歯科技工士が独立するメリット

・収入アップの可能性

固定された枠組みおよび収入に依存することなく、高い技術力や独自のサービスを提供することで収入アップのチャンスがあります。

・自由度の高さ
自分自身で自由な働き方を決められるので、時間を有効的に使えます。

・技術改革に期待
今まで得た技術をブランディングすることで、業界に認知させて新改革性のある戦略を目指せます。

・信頼と技術が直接評価
今まで自分が築き上げてきた技術力や信用が、歯科医師やクライアントなどに直接的に評価されやすくなります。それらが次への仕事に繋がる可能性が大いにあります。


■歯科技工士が独立するデリット

・収入が安定しない

技工士または技工所としての知名度があがるまでは安定しません。しばらくの資金確保は必要となります。

・競争の激しい世界
歯科技工所は多数存在しています。そのなかで新技術の登場で競争化が激しくなります。
競合する技工所の差別化等が必要となります。

・経営者として求められる
歯科技工士として働くだけではなく、経営や営業といったスキルも求められます。個人事業主または法人設立しても経営力不足では継続できません。

4.歯科技工士が独立で成功するポイント

歯科技工士として経験を積み、基盤を固めた後に独立を考え始める方が多くいらっしゃいます。経営者として成功したいと思うことは皆さん同じです。
独立開業で成功するためには幾つかのポイントをあげてみましょう。


★学習力の継続
独立開業したら頼りになるのは自分自身です。デジタル技術やシステムが発展していくなかで、自ら勉強会やセミナーなどに出向き技術などを習得していくことが大切です。よって専門分野での活躍の場が広がり、新たなビジネスに繋がるチャンスになります。

★信頼関係の構築
雇われている時代とは違い、経営する上でのコミュニケーション能力と信用力は必要です。様々な人とコミュニケーションを重ねることで信用度が上がり、歯科医院などに実践的なアプローチをかけることができます。

★数字の把握
経営者は、売上や人件費(人を雇う場合)、材料などのコスト比率を把握しておく必要があります。また、価格の見直し・改定なども行う必要性があり、バランスを考慮した上で運用していくことが大切です。

★広告・宣伝
経営者は人脈作りも大切です。技工士同士や歯科医師との交流を持つために勉強会やセミナーに積極的出向くことを勧めます。また、広告宣伝も必要で、SNSやホームページなどで技工物や最新技術、知識を発信しましょう。閲覧した医師からの問い合わせ等の可能性があります。

★冷静さと忍耐力
どんな業界でも成功している経営者は共通して「冷静な判断」と「忍耐力」が備わっています。問題が起きた時の冷静な判断と、待つべき時期は待つといった忍耐力は必要です。

さいごに

いかがでしたか。歯科技工士が独立開業するメリット・デメリット、成功のポイントを解説しました。独立できる準備ができたら手順に沿って実行するのみです。将来性のある職業だからこそ独立して成功する可能性が十分あります。自分磨きが楽しくなりそうですね。